大型書店で会った彼女の事

  閲覧席があって、そこで売り物の書籍を読める大型書店が登場してから何年になるだろうか?その閲覧席を利用したことは一度もないけれど、こういったシステムを採用した「おおらかさ」と、図書館みたいな「雰囲気」が好きだ。
 それに大型書店では、圧倒的な本の種類の多さに魅了されてしまう。
 こんな店には、一度入店したら二時間ぐらいはあっと言う間に時が過ぎてしまうのが常で、大型書店マイブームの時は、仕事のやりくりをして週に一度は通い詰めたものだ。

 この前、その書店に久しぶりに出かけた。まず最初に行くのは洋書コーナー。
 海外のグラフィック主体の専門雑誌は、服飾に限らず建築分野などでもセンスが飛び抜けていて、ビジュアルにおける地力の強さを思い知らされる。そう言う意味で、いつまでたっても日本は「洋行帰り的人たち」が文化リーダーなのかなぁ、、。
 で、次はコンピュータ関係の専門書のフロアーに移動と、思った瞬間に彼女と出逢ったのだ。
 背が高くて顔つきはほっそり、それに加えて切れ長の目を合わせると、気品あるお公家さんのイメージ、、銀縁のレンズの小さな眼鏡が羽根みたいに顔にかかってる。
 好みなんだよねー。肉欲的にって事じゃなく、精神的に絡んで見たいというか。
 それでもって、気が向いたら徹底的に泣かしてみたいっていうか、、まあ、そこまで行くのは実際には難しいんだけどね。


シークレット オブ ドラァグクィーン


 「シークレット オブ ドラァグクィーン」
 杉並北尾堂 北尾トロ
 
 「読書好き」の方なら一度ぐらいは「ダ・ヴィンイチ」という月刊総合誌を読まれた事がおありだろう。
 そこでかなり前に「自費出版の実態」みたいな企画連載があって、その企画の中心が北尾さんで、その「本」が、これから紹介する「シークレット オブ ドラァグクィーン」なのね。
 「まあこんなキワモノ、売れるのかしら。」と思いつつ、早く読みたいと恋焦がれていたのが当時の私。それが地元の大手書籍店を彷徨っていると、この本が「お洒落っぽく」置いてあったのである。
 「大手」と「お洒落ぽい」という所がお味噌(お味噌だってなんて卑猥な表現)で、場末の小さな個人商店のアダルト本の薄暗い棚には決して置かれないわけね。
 内容的には小判サイズの印刷紙の悪いSM雑誌と大差はないんだけどね。
 人は「パッケージ」で内容を判断し評価づけるものだし(笑)。でもこの構図、ドラァグクィーンのお姉さま方そのものにもいえるかも知れないね。
 「お釜」より「ニューハーフ」の方がネーミングとしてはスタイリッシュだし、、。
 まあ厳密には、そのそれぞれの「呼び名」と「その実態」は違うのだという薀蓄を披露される方もおられるだろうけど(確かにドラァグクィーンとパート女装は違う)、chikaは、性同一障害を除いて、基本的には「男が女を演じる」構造は同じではないかと思ってるんだけどね。
 勿論その「あり方」は千差万別で、それこそ「本書」を呼んでいただければよくわかる事だろうと思うけど。
 私のサイトに来られる人なら、きっと興味深く読める本だと思いますよ。この本に登場するドラァグクィーンの皆様方は、Webにサイトを運営されている方が多いんですけど、よりインサイドな「個人の生理感覚」はこの本に寄稿してある文章の方が優れているみたいだし。
 まあ個人的な批評を(批評だってキャ!!)くわえるなら、ちょっと「お洒落ぽさ」が中途半端だったかなぁって事、多分、北尾さんの販売戦略だったんろうけど、、。
 十分この世界を「堪能したい」人にとっては、この本、決して「読みやすい装丁」じゃないし、逆にこの本を所持している事で、自分がお洒落に見せたい人には、やっぱ内容がね、、。
 まだ「ハッテン場」の話題はファッションには、ならないと思うし、、。
 個人的には図版をたっぷり楽しみかったし、(今泉ゴッホ、サイコーっ!!)読み物は読み物でもっと読むことに集中できるものにしてほしかったですわん。
 だけどそうやると大判のムック誌見たいになって、ゼッタイ売れないだろうなぁ。。。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか 9 (BUNCH COMICS) 裁判長!ここは懲役4年でどうすか 9 (BUNCH COMICS)
(2009/10/09)
北尾 トロ

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ばいぶる 幸せの形ばいぶる 幸せの形
(2008/01/01)
円奴

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幕の内を過ぎても

  1月の三連休、ついこないだまでお正月やなんやらで浮かれまくっていたくせに、数週間も経たないウチに連休なんて人間アホになるでぇ。(あっ勤めに出たら1日で元に戻ったって?それはご苦労様)
 そうそう成人式で、今年も相変わらずアホな不良行為をやらかしたバカ新成人も沢山いましたね。
 これはこれで成人の日に、人間のどーしよーもなさを改めて再認識させてくれてある意味有意義ではあるんだけど(笑)。
「アホ」と言えば、最近珍しく、ご近所のメガホームセンターに日常品の細々したものを買い出しに行ったんだけど、そこで乗馬ブーツとパンツ姿のお嬢タンに見惚れてしまった職業SM女王様のchikaも相当な「アホ」です。
 そのお嬢さん達はホームセンターの入り口近くに陣取って、何やら怪しげなパンフレットを道行く買い物客に配っていたのですが、その姿の怪しいことと言ったらパンフレットを貰う、ほとんどの人の腰が引けてましたね。
 だって上はお揃いの、ほら良くあるでしょ「チームなんたら」みたいなのが背中にプリントしてあるジャンパーで、下のパンツがぴったりフイットで、やけに脚が長くみえて一瞬ウエットスーツなのかと思ったくらい。オマケにお嬢タンは腰幅が広くて長い脚に細身の筒型ブーツ履いてるし。
 お嬢タンの脚の長いことと言ったら際だってて「恥ずかしそうに突っ立てるだけの脚フェチ専用女王様」にして倶楽部に持って帰りたい感じ。
 でも他の男性スタッフも同じようにすらりと脚が長くて格好いいので、これは乗馬ズボン着用の効能なのかしらんと思うんだけど、いずれもただ脚が長いってゆーことだけじゃなくて格好いいのね。
 こう「ドキッ」とするようなオーラが脚そのものから出てるわけ、で彼らが近くの乗馬クラブのインストラクターさん達だって事が判ってなるほどな、と。
 やっぱりそこには鍛えられた筋肉があったんですねぇ。
動くお馬さんの上に乗ってそれを操る訳だから、、そーゆー筋肉ちゅーか脚が出来る。
 お嬢タンの脚の美しさの源はそれなんですねぇ、、chikaも乗馬クラブ会員勧誘の誘いに思わずグラついちゃいました。
 いつも乗ってる動物は従順すぎて(笑)。鞭なんか入れても喜んじゃうだけだから。

PHW] 2009年6月号(Vol.35) 「日本で唯一のフィリピン情報月刊誌」



ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ



 ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ


 性転換の手術に失敗した主人公の歌う歌詞が「アレの長さが6インチから5インチ減って残りは怒りの1インチ」、、、こうやって文章にするだけでも監督・脚本・出演すべてをこなしたジョン・キャメロン・ミッチェルの才能がわかる。
 演劇や映画の脚本に、人間の完全体であったとされる雌雄同体的イメージ、「つまり(男・男)(女・女)(男・女)がゼウスによって二つに引き裂かれて現在の愛が始まった。」とするテーマを引っ張って来る事は、そう珍しい事じゃない。
 けれどそこから畳みかけるように「これ以上、神によって引き裂かれたら目が一つ、腕が一本、脚が一本で生きなくちゃならない。(僕)を否定すれば、僕は破滅する。」って言葉を凄い勢いで打ち出してくる所がこの人の才能なのだろう。
 同時に(映像的には驚くような斬新さはないにせよ)、充分に美術的な空間を作り出せる能力をもった人のようだ。しかしそれを全面に出さずに、あくまで映像をミュージカルと物語の進行に絡めていく姿勢を見せるのはこの監督が舞台人だからだろうか。勿論、その姿勢はこの映画において大きく成功している。
 ただ、主人公ヘドウィグのかりそめの夫イツハクを演じるミリアム・ショアが本物の女性であることが微妙なずれとなって映画の結末に現れていたような気がする。
 chikaは最初、このイツハクが「男になりたい女」なのだと思っていた。それにしてはイツハクが隠れてヘドウィグのウィッグを被りたそうにしているシーンなどが矛盾しているなと、、。
 脚本上でイツハクは、潜在的に女装者にあこがれている男性という設定らしい。
 それでも最後にイツハクがヘドウィッグと袂を分けようとする時「もう疲れたんだよ。お前も本当は疲れているんだろう。」という台詞をヘドウィッグに吐くシーンがあるのだが、これなどは「私はもう男の格好(生き方)をしているのに疲れた。お前も女の格好じゃ疲れるだろう。」と読み替える方がスムースなのだ。
(実際、その台詞の後にひげ面のイツハクが、グラマナスな美女に変身するシーンがある。これなど念願の夢が叶って女装美人になったというよりも、イツハクが女性に回帰したら実はこんなに綺麗だったという感じにも見える。)
 その他、少年時代のヘドウィグ(ハンセル)が父親に犯された事、青年期の女装とホモセクシュアルの関連が曖昧な事、母親が自ら進んで東ドイツに移り住んだのに、息子のハンセルがドイツから脱出する為に性転換手術を必要とした時、病院を紹介してやったりと、よく考えると説明不足の部分がたくさんある。
 勿論、映画の方はそれらを含んでも、充分に面白い。東西の冷戦や「性」にまつわる興味深い色々なエピソードを全て、おおまかな部分で辻褄が合えばいいやと言う感じで、ヘドウィグという人物を通じて書き出していく手法が爽快だ。
 この手法が観客に受け入れられるのは、それらの各エピソードに共通する監督の「ストレートな想い」が巧く伝わってくるからだろう。
 つまりその共通項とは「ロック」な「愛の起源」を求める心なのである。

 しかしまあコーカソイド系の顔立ちって女装にホントに映えるのねぇ。それにハリウッドというか、向こうのショウビジネス世界のメーキャップ技術って、ため息がでるほど凄い。
 青年時代のヘドウィグってまだいかにも女装者っていう感じなんだけど、トミー(主人公の失われたカタワレ)と出会う頃の彼は、体型は別にしてほとんど「綺麗」といっても良いくらいなんだから。で土台は青年時代の彼と同じな訳で、、つまりメイクアップ技術だけで、意識的に「綺麗」のグラデーションを作り出せるということなんだよね。(羨ましい、、。)
 でも、ヘドウィッグが自分のステージを隠れてみているトミーに顔の汗を拭いたハンドタオルを投げ渡すシーンには思わず苦笑しちゃった。だってハンドタオルにヘドウィックの顔が厚塗りしたファンデ・口紅、マスカラで転写されているんだもの。この辺のジョーク感覚がオカマというかドラァグクィーンのりなんだよね。
 同じように「今日も鬘を被ってメイクアップ・ルンルン」っていう歌も楽しいよ。、、、でも「やがて悲しき」なんだけどね。、、だからこそショウなんだよ。

PS 日本で「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」をやった(最近では山本耕史)三上博史の興味深いインタビュー。
「カタワレなんてねぇ。相手が見つかったからって幸せになれるもんじゃない。誰かに自分の欠けた部分を補ってもらえるなんて、それは幻想でしかない。自分で自分のカケラを拾い集めて、解決するしかない。そこまで作品は描いているんだけど、女の子たちは見ないんだよね。舞台ではガツンとぶつけたいね」
 ・・・のお言葉、なかなかでした。
 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の主題は、本来の人間存在が男女同一性体という所にあるんだけど「相手が見つかったからって幸せになれるもんじゃない。」って言いきっちゃう所が凄い。
 でもカタワレを探そうとする衝動と「幸せ」とは別の次元の事柄なんだけどな、、、ほら「不幸な恋愛」っていくらでもあるでしょ。

 

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD] ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]
(2007/01/26)
ジョン・キャメロン・ミッチェルマイケル・ピット

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Gagging Blowjob(倒錯の寄生虫)

 

 SMfのWEB小説サイトであるSMfは主に3種類の小説で構成されている。
 一つは表看板であげている長編小説。一つは気が向いた時に全力疾走で書き上げる短編。そして最後に不定期連載とわざわざ冠した中編小説がある。
 長編の方は表看板であるだけに書き上げる為に熟考もすれば推敲もする、いわば難産である。それに対して不定期連載の方は、何よりも勢いを大切に「書きたいことを書く」、と言うか、これでは格好良すぎるので言い換える・・「恥を忘れて書きたいことを書き散らす勃起度の高い文章作り」ルールでひた走ろうというもの、アンモラルとフェチは文章を書く上でのごちそうだから。
 だから書きたくなくなったら、何ヶ月も放置するし、書きたいときには次々と章を重ねる、故に不定期連載なのである。
 それが今、新しいシリーズで長編では特異点『特異点サトゥルヌス』・不定期連載ではGBJ『Gagging Blowjob(倒錯の寄生虫)』を書き始めて、色々な意味でその性格がそれぞれ逆転し始めている。
 特異点は、ねちねちとした会話中心の組み立てにも関わらず結構なスピードで書き進める事ができるのに、GBJの方はまだ勃起係数も低く、なかなか進まずに話の構成の単純さが文章の疾走感として生かし切れていない。
 GBJの主人公にまだ命が吹き込まれるほどに物語が動いていないという事もあるのだろうが、、、この逆転現象については少し考えさせられている。
 特異点・GBJの内容自体についてはいずれ又の機会に、、。

スィーツをどうぞ



 
「スィーツをどうぞ」・・この中の何人がオトコノコ?


 美しいお菓子、「落雁」のことを前に書いた。勿論、金沢には美味しいお菓子もたくさんある。味には時代や格式のようなものがあり文化が感じられて面白い。

 「わり氷」というお菓子がある。見た目は色の付いた小さな氷砂糖のように見えるが主に寒天で出来ている。口の中に入れた瞬間は固いが、噛んでみると寒天なのだから勿論柔らかい。味は氷砂糖を薄くしたような感じ。姿が可愛いので女性に好まれるかも知れない。
 でも「美味しい!」っていう程のものでもない。chikaはこのわり氷を近江町近くの十間町の「村上」で買った。「村上」の店舗自体がいかにも金沢という感じで好ましい。本当に美味しい和菓子が食べたければこの店で最新の創作和菓子を購入すると良いと思う。まあこれは、お店の宣伝という事ではなくて「伝統」と「味」の関係のハナシ。

 俵屋のじろあめ。じろあめは麦芽糖を原料にした水あめ状のものがガラス壺の中に入っている。砂糖は使ってない健康食品系。(砂糖を使わないと何故、健康なイメージになるか判らないんだけどね。そう言えば砂糖業界?が「砂糖は頭の栄養源」とか言って巻き返しキャンペーンをはってた事があるなー。)
 店の叔母様が小さな棒にこのじろあめを巻き付けて味見させてくれるんだけど、食べた瞬間に「カンロ飴!黄金糖!でも味がうすーい。」と声に出しそうになったが口チャックだった。だって俵屋さん、このじろあめに相当誇りを持っているようだったから。
 俵屋ののれんが掛かったこの店の玄関は超有名です。でも観光スポットとしては近隣に有名所が少ないから、ちょっと苦しいかな。

 中田屋のきんつば。同じきんつばでも更にうぐいすあん、これがchikaの大本命だったんだけれど、ひがし茶屋街近くの支店が何故か閉店していて買えなかったのが残念。うーん食べたかったよー。

 そして最後は「あんころ」。これは大阪行きのサンダーバード(懐かしい)の中で食べた。兼六園の中の甘味所でしか売っていないあんころが有名らしいけど、兼六園自体はもう三回以上訪れているので今回の旅行ではパスした。
 車内で食べたあんころは、こし餡の中に小さなお餅が入ったもの。このお菓子の形状は結構どの土地でも見受けられるんだけれど、これだけは鳥羽の「赤福」が圧勝ですね。
 中でも真夏の「赤福かき氷」はもう絶品。冬に思い出しても食べたくなるんだから。
 うーんなんだかんだ言っても「お菓子」は食べられてこそ、その存在価値があるんだよね。どうする?落雁。


昭和美少年手帖 (らんぷの本) 昭和美少年手帖 (らんぷの本)
(2003/06/14)
中村 圭子

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アバラット

  クライヴ・バーカーは、日本じゃ彼の小説より、映画ヘル・イレイザーに登場した魔導師ピンヘッドの生みの親として有名なんじゃないかと思う。自分でも映画を撮ってるし、、。
 でも小説家としての彼と映像との蜜月期間は、本当に彼にとって良かったのかどうかは判らないと思う。
 画家のギーガーが「エイリアンのギーガー」になってしまった事とよく似ている。でもギーガーの場合は同じ視覚芸術のエリア中の出来事だから、二つの世界が浸食しあう恐れはないのだろう。
 しかしバーカーの場合は彼の小説が映像重視主義なだけに、映画化された世界と彼の内面世界がバッティングする事があるのではないかと思うのだ。
 なぜこんな事を書くかというと、アバラットに挿入された彼直筆のイラストのイメージが、過去に映画化された映像イメージとかけ離れているからだ。
 初めて彼のイラストを見たときの印象は、日本の原爆画で有名な丸木位里・丸木俊さんの絵によく似ているなという感覚だった。
 確かにバーカーのイラストには、明るいばかりではない人間の陰をふくんだ生命力を強く感じさせるものがある。けれど、映画で創出されてきたような血みどろのエロティシズムは、あまり見受けられないのだ。

 chikaの好きなリンチ監督の絵コンテを見たことがあるけど、絵の上手下手は別にして、彼の絵コンテと出来上がった映像との間にはイメージ上の差がほとんどない。
 これを例として考える事は無理があるかも知れないけれど、今までバーカーが小説の中に創造してきた世界は、本当のところ、読者が勝手に思い込んできた映画化されたそれとはかなり違うものなのかも知れない。
 勿論、彼の作風が後年になってスプラッタから、ややファンタジーよりに変化して来た事も大いに関係があるのかも知れないけれど、、、。
 まあ、そんな辺りを念頭に置いて、アバラットを読むというのも一つの楽しみかも知れない。

PS 「アバラット」の売り出し方が、当時、なーんとなくハリポタの二匹目ドジョウみたいな感じがしてヤな感じがしてた。まあバーカー自身が巻き起こせる風速が、隆盛期のものではないから仕方ない気もするけど、これがキングだったらどうだったのだろうかと考えなくもない。

アバラットアバラット
(2002/12/18)
クライヴ バーカー池 央耿

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Sexual-Minority


 
  昔、SMFに付いて書いた文章を発掘した。以下がそれ。

 chikaは自分のWEB小説サイトで、エロ小説もどきを書いている。この「もどき」の三文字が、いつかとれるといいなと思っているけど、その道のりは遠いみたい。
 で、今日は、chikaが読者に何を欲望っているかを書きたい。(つまり自分自身の為の頭の整理だね。これは日記の一つの効能。)
 chikaの作品を読んで、読者のみんなが脳内のチ○ポコ膨らませたり、あれを潤ませたりしてくれるのが一番の望みなんだよね。
 何故、「脳内」かって言うと、肉体の制約を離れた所で、人間はみんな両性具有者だと思っているから。
 その辺りが小説を書く方の醍醐味なんだよね。
 リアルで言うと、殿方の逸物から精を吐き出させる行為って、何回もやってると、こうムキになってきて極めたいと言うか、その事自体が目的化するのね。
 ストッキングを履いた足の裏でこう拝むようにしながら殿方のをもみ上げたりとか、結構、口以外のアプローチも面白かったりで、それで又、その時に観察できる殿方の我慢の表情とかが、こっちには快感だったりする訳。
 これって小説における作者と読者の関係にもあてはまるなーとずっと前から思っているのね。
 ただ小説の場合は肉体的な接触がないから、その分、自由度は比べものにならない訳で、同じそうなら、男性読者にはオンナの部分を、女性読者にはオトコの部分を興奮させたいってかね。
 そんな感じ。
 ニューハーフもののエロビデオにも時々そんなのがあるんだよね。シチュエーション云々じゃなくて、カメラワークが明らかに倒錯してる奴。
 そう言うのを見てると、絡んでる男優の視点でニューハーフを撮るのか、されてる側のニューハーフの視点でビデオを撮るのかで、視聴者の興奮の質が変わるっていうのが良く判るんだよね。
 第一、ニューハーフっていう存在自体がオトコからオンナに、オンナからオトコにという双方向の通路を身体に持ってるわけなんだから、これを視覚的に利用しないって事は損だよね。
 chikaの場合は、そういった仕組みをエロ小説っていう枠組みの中でやってみたいわけ。
 そういう事ずっとやり続けるとその行き着く果てに、又、違うものが見えてくるんじゃないかと、最近、考えておりますのじゃ、、。

 このテキストを書いた当時は、SMFをSMとSFの掛詞で考え出したつもりなんだけど、現在では「Sexual-Minority」、つまり性的少数派のSMの方がいいかなと。
 FはフィクションのFだから「性的少数派のフィクション」。
なんだかまんま過ぎるけど(笑)。


2009年のスローバラード

 2002-02-11

 いつもの悪い癖で連休間際に旅館やホテルの手配をする。自分の体調を見ながらの事だから仕方がないのだけれど、結局、自分の行きたかった場所や行程は二の次の選択になる旅行が多い。
 それにchikaの車はツーシーターでスポーツ車ではあるのだけれど未だにスタッドレスなるものを履いた事がない。つまり降雪量の多い地方はこの時期、無理なのだ。
 結局、四国でも今治市に近い湯ノ浦温泉という新興の温泉地に出かける事になった。小高い丘にあり、ホテル群のそばに小じゃれた住宅街が混在するという不思議なロケーションの温泉だ。
 
 ホテルの最上階にある湯船に浸かりながら窓の外の夜空を見ていると、ふと忌野清志郎歌う「スローバラード」を思い出して涙が出そうになった。

「昨日は車の中で寝た、
 あの娘と手をつないで。
 市営グランドの駐車場。
 二人で毛布にくるまって。
 カーラジオからスローバラード、
 夜露が窓をつつんで、
 悪い予感のかけらもないさ。
 ぼくら夢を見たのさ、
 とってもよく似た夢を」
 
 あの頃はあんなに無茶が効いたのに、あのころはどんなに惨めな状態でも幸せでいられたのに、、。
 鼻の下まで身体を湯の中に沈める。確かに生活は豊かにはなった。
 こうやって休みが取れればロングドライブも出来、連休前の冗談のような宿泊料金が払えるのだから、、。
 自分を包んでくれる湯の暖かさが身にしみる。そして自分の皮膚の下にある内蔵や筋肉、骨格や脂肪の声に耳を澄ませてみる。
 大丈夫よchika、あなたは確実に生きている。その事が一番大事なんだから、、そんな声が聞こえてくる。
 この、今にも雪が降り出しそうな夜空の下のどこかに、あの頃の私やあなたが今もいるのだろうか、、。
 みんな朽ちていく、、だから「美しい」「愛おしい」のだ。それが今の私のささやかな支えだ。

 

2009-05-03

 のどにガンが見つかったのは06年7月。ガンを「新しいブルース」と言いなぞらえて「何事も人生経験と考え、この新しいブルースを楽しむような気持ちで治療に専念できれば。またいつか会いましょう。夢を忘れずに!」と、「夢」を己と人間から最後まで切り離さなかった人。

 ガンからの生還者が多いので、清志郎さんも「てっきり」帰って来るんだと脳天気に信じ込んでいた、、。

 人生で一番大切な思い出を歌にしてchikaに贈ってくれた人。ご冥福を「悪い予感のかけらもなく」。


2009-05-03 19:27
 ホントの事ゆーと、清志郎さんの音楽自体は、巧みなシャウトが効いたバラードには惚れ込んじゃうけど、それ以外の曲は、生理的なリズムがchikaにとって軽すぎるのか肌には合わない。
 でも人間としての清志郎さんて、すごく真っ直ぐで当たり前な「ロッカー」だから好き。
 社会の矛盾を突く時だって、斜に構えたり、変にひねこびたりしなきゃそれが出来ない「格好付けたがりや」とは違う。
 つまり何処かに逃げ道を用意してないってこと。
 かといって力んでやってるワケでもなく。いいなぁ、、やっぱり逝くのが早すぎるよ、、。



ぼくの好きなキヨシロー ぼくの好きなキヨシロー
(2009/10/17)
泉谷 しげる加奈崎 芳太郎

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赤い酢だこ

  お正月が近づくと、奇妙に思い出す色があって、それは金沢の近江市場で見た酢だこの毒々しいばかりの「赤色」である。地元ではお正月料理での実に当たり前の定番らしいのだが、、。
 金沢は「食」の都市でもある。chikaが初めて、エメラルド色の卵を抱いた甘海老や、お正月用に紅色に茹で上げた巨大な蛸の脚を見たのは金沢の近江市場での事だった。
 感激のあまり近江市場で生鮮物をしこたま買い込んでしまって、ホテルの一室に持ち込んで臨時の酒宴を設けた記憶が懐かしい。
 その日の昼食は近江市場内の寿司屋にしようと思っていたんだけれど、どこも観光客の長蛇の列。
 chikaも含めての事だけど、日本人って本当にメディアの情報に弱い。どこかの旅行雑誌に例え数行でも紹介記事が記載されればそこに蟻のように群がる。
 自分自身がその筆頭のような人間だから悪態をつける立場じゃないけれど、待ち時間が数十分に渡る状況に出くわすと、さっさと諦めるようになった。でもそれで痛痒は一切感じない。
 「本当は誰にも教えたくない穴場」だとかいう煽りに乗せられて出かけて見ても、実際に「いいなー」とか「美味しい!」とか納得する率は半分にも満たないのが現実なのだから、一時間以上粘って入店するような値打ちがある店がそうあるとは思えないのだ。
 結局、市場裏で海鮮丼を売りにしている店に入って、刺身の盛り合わせ皿をそのままご飯の上に載せたような丼を食べた。
 chikaは魚がとても苦手なので、出されたものが新鮮なものなのか美味しいものなのかの判別がつかない。でも自慢じゃないけど海胆とイクラの味は判る。それで判断すると「当たり」の店のようだった。

 そうそう、食べ物と言えば金沢の場合は、和菓子だ。超有名なのは落雁ね。
 でも若い女の子で落雁が好きな子って何人ぐらいいるんだろう?アレってchikaは嫌いというより「食べる」事自体が出来ない。
 京都の八つ橋も嫌いだけれど、まだ食べる事が出来る。chikaにとっては落雁はそういう味であり食感なのだ。
 でも落雁は見てる分にはとても美味しそうだし、綺麗なお菓子だとも思う。そしてchikaは金沢でその落雁の秘密を発見したのだ。
 それは精緻な木型の存在である。
 ずっと前から落雁の表面を飾っている工芸品のような模様が気になっていたんだけど、あの形を生み出すために木の女型があるとはこの日まで意識していなかったのだ。
 金沢には石川県菓子文化会館という場所があって、そこには沢山の木型が展示されている。どれをとっても工芸品に近い完成度を持つ物だ。
 そこからあの落雁が生まれる訳だ。こういったものを見ていると日本の伝統文化のレベルの高さを改めてつくづく感じる。
 このお正月、おせちを前に、自分の住む地域の文化をもう一度、見直してみるのも面白いかも知れない。
  ・・・なんちて、今日は格調高いなぁ(笑)。

MUTSUKARI 1st stage PRESENTATIONMUTSUKARI 1st stage PRESENTATION
(2009/09/10)
六雁

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